札幌近郊の長沼町に、私の親類が居る。
3年前に千歳市から移り住むために新築した。 夫婦が二人で住むための平屋の家だ。
昨年の夏ごろと聞いたが、ベランダの窓ガラスに一羽の野鳥が衝突して怪我をしたらしく、飛び立てずにうずくまっていたとか。 叔母は、植物であれ動物であれ、哀れな様子をみると放っておけない性格。 叔母なりにその野鳥を看病し、命は繋ぐ事は出来た。
現在も、4畳半ほどもある玄関ホールでその野鳥を飼っている。
調べてみると、「シメ」 という種類らしい。 スズメ目 アトリ科 シメ属 らしい。
日、中、露 の三国間での「渡り鳥条約」に含まれてもいるらしい。 つまり捕獲禁止ということだ。
とはいえ、怪我をして飛べなくなった鳥を保護する事は 「捕獲」 には当たらないと思う。
生き物好きで優しい叔母は、どこまで考えているだろう。
本来、大陸間を渡り飛んでいたであろうこの鳥が、玄関ホールの空間に閉じ込められて何を思っているだろうか。 本当に飛べなくなってしまったんだろうか。 どうかしたら空に戻れるんじゃないだろうか・・・・・
ともすれば外敵に襲われないとも限らない空を飛び、餌を探さずとも、ここではその危険は無い。 その方が幸せなんだろうか。 いや、そんなはずは無い。
しかし、それは 「シメ」 にしか分からない事だ。